「子は、怪力乱神を語らず」という言葉が、論語の中に出てきます。これは論語読みの間では有名な言葉で、怪力・乱神と二つに区切って「怪異な力」「正しからぬ神」を語らないという解釈の仕方と、怪・力・乱・神と四つに分けて「怪異な力」「権力」「争い事」、「神憑り的な話」は語らないという二つの解釈の仕方があります。

一般的には、後者の解釈のほうが正しいとされていますが、日本では前者の解釈のように、オカルト的なものに対しての警鐘の言葉として使われる場合があります。

いつの世の時代にでも、物事を言葉巧みに神秘的に飾り立て人々を誑かす不肖の輩は存在するものです。現在の日本においても、必要以上に医師や薬を悪者にして、自分たちの言い分を正当化する風潮が健康食品の販売業者に目立っておりますが、その論点はあまりにも矛盾が多く、西洋医学を修めた医師たちの多くが、健康食品の体験談に書かれている「神憑り的な話」を信用しないのは極めて当然のことです。

「鬼神を敬して遠ざく」これもまた孔子の有名な言葉ですが、曖昧なことや不可思議な現象に対して一線を引くことは決して誤った考え方ではありません。しかし、生命に対するすべての問題を、西洋医学という一つの方法論だけで片付けようとすることにも少々無理があるように思われます。現在、中医学が欧米で注目されているのは、西洋医学一辺倒では解決できない問題が増え、徐々に手詰まりの状態を呈してきているからです。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら