中医学では、気・血・水が衰えたり不足したりして、各々の流れが不十分になっている状態を気虚・血虚・陰虚と呼んでいます。

一般的に「実」とは充実している状態を示す意味の言葉ですが、中医学では過剰になっていたり停滞している状態を指していることがあります。

例えば、普通には量がたくさんあって充実しているのなら身体の抵抗力や治癒力も旺盛でよいだろうと考えるものですが、それは正常な範囲内に納まる場合にのみ限ります。正常範囲を超えて量が過剰になっている状態の場合は流れも停滞していることが多く、ちょうど川下の流れが悪くなって上流の水かさが増してきているようなものです。ですから、川の浄化作用がうまく働かなくなるとだんだん水も汚れて濁ってくるように、気・血・水の流れも悪くなって身体の中が澱んだ状態に移行していきます。

中医学では、気・血・水が過剰で流れが停滞している病的な状態を気滞、血(おけつ)、水滞といい、お腹の張り・遊走性の痛み・憂うつ、静脈瘤・部位が固定した痛み・舌や口中の粘膜に出来る暗赤色の斑点、身体や顔のむくみ・目まい・手足が重いなど、それぞれ特有の症状が現われるようになってきます。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら