女性が膀胱炎を起こしやすいのは、尿道が男性に比べて短く雑菌が繁殖しやすいという身体の構造上の違いが大きな理由です。
主な症状としては、尿が近い・尿がスムーズに出ない・排尿時に痛む・残尿感がある・排尿後の下腹部の不快感などですが、高熱が出たり血尿が混じったりすることもあります。(注意:高熱が出たり尿に血液が混じる場合、他にも重大な病気が潜んでいる可能性がありますから、自己判断せずに専門医に診てもらうことが必要です。)
これらは、ほとんど大腸菌などに感染して起こる症状ですが、いくら尿検査をしても細菌が発見されないことがあります。そんな場合、西洋医学では精神的なストレスや自律神経失調症からくる症状とされがちで、精神安定剤などが処方されることが多いものです。
しかし、中医学では、尿検査で細菌が見つからなくても症状に応じていろいろと対処する方法があります。
例えば、排尿時の痛みや強い灼熱感とともに、イライラ・不眠・口が渇くなどの症状がある場合は、心の過剰な熱が心のパートナーである小腸にまで移りその周辺に影響を及ぼしたと考えられ、黄連や蓮子心(熟す前のハスの実)などの心の熱を冷ます作用のある生薬が配合された漢方薬で治療してやります。
また、中年で体力のある人に多い、尿がスムーズに出ずに痛んでわき腹や下腹部が張るなどの症状がある場合は、主にストレスなどで肝が緊張し気の流れが悪くなって障害を起こしたものと考えられますから、柴胡や芍薬などの生薬が含まれた漢方薬で肝の緊張を解きほぐしてやれば、自然と楽になります。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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