第76回 「問診3 汗を診る」

汗のかき方でも、身体の状態を知ることができます。

例えば、寝ている間だけ汗をかくことを盗汗(とうかん)と呼びますが、中医学では陰虚(体液不足)の状態になっていると考えます。こんなときは、口の渇き・手足のほてり・のぼせ・不眠・寝つきが悪いといった症状も現われやすくなります。

また、何もしなくても汗が滲み出ることを自汗(じかん)といいます。身体を動かすと、さらに汗がひどくなる場合は身体が冷えていると見なすことがあります。現代風の生活では、自分でも気がつかないうちに冷たい飲食物・生もの・冷蔵庫・冷房などの影響で、身体を冷やしすぎている可能性が高いものです。

日本では汗をかくことは身体によいと思われていますが、そんなことばかりではありません。

例えば、葛根湯や卵酒などで温めて発汗させる治療は、カゼの初期で自然発汗がなく、身体が比較的丈夫な場合だけに使われる方法です。それ以外の場合には、逆にカゼが身体の奥のほうに入り込んで重症化してしまいます。中医学では、汗を「心臓の涙」や「白い血液」と呼んで、むやみに出すものではないと考えています。

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