問診の中で大切なことは、寒熱・汗・痛み・耳・目・睡眠・食欲・大便や尿などの現在の様子をいろいろと把握することです。
カゼの場合でも発熱や悪寒がどうであるかを聞くことで病気がどの程度進んでいるかが分かります。例えば、発熱と悪寒がともにある場合は、病気は身体の表面の部分にありまだそれほどひどい状態でないと判断します。発熱か悪寒のどちらかだけがある場合は、病気が身体の奥のほうに入ってきていると考え気をつけなければならない状態であると判断します。発熱と悪寒が交互に現れる場合は、その中間の状態にあるというふうに判断します。
また、長期間続いている原因不明の微熱の場合でも、中医学的に考えることによってその原因を見つけることができます。
「夏季発熱」
暑い時期に続く微熱で、子供に多く見られます。原因は、気陰不足といういわば気力と体液の不足で、のどの渇き・汗をあまりかかない・多尿などの症状が現れます。
「気虚発熱」
長期間続く微熱で肉体疲労時に悪化するものは、脾気虚といういわば胃腸の弱りからくる気力不足が原因と考えられ、疲労倦怠・食欲減退・無気力などの症状があります。
「陰虚発熱」
午後や夜になると出てくる微熱で、手のひらや足の裏がほてったりします。原因は陰虚と呼ばれるいわゆる体液の不足からくるものとされ、寝汗が出たり・口やのどが乾燥する・頬骨のあたりが赤くなるなどの症状が出たりします。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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