第59回 意外な名医?

「神農本草経」という、薬草に関する中国で最も古い書物があります。この本は神農さんという人物によって書かれたものとされており、神農さんが赤いムチで毒蛇などを払い除けながら、いろいろな種類の草をなめて薬草か毒草かを区別していったのだといわれていますこの神農本草経には365種類の薬草が載っており、私たちはずいぶんとその恩恵にあずかっています。

ですから、薬草の神様は昔から中国でも日本でも神農さんということになっており、大阪の道修町にも神農さんを祭る神社があります。

もちろん、神農さんは実在の人間ではなく、昔から多くの人々により経験されてきた健康に対する知恵を擬人化したものです。また、その知恵の多くはおそらく犬やネコ、サルなどの身近な動物たちが病気になると食べるものなどを参考にしたものでしょう。ですから、ある意味では犬・ネコたちは名医の先駆けといえるかもしれません。

また、玉ねぎが糖尿病によいとか血液をサラサラにするとかいわれておりますが、ネコには毒で食べると死んでしまうそうです。また、イカやタコを犬やネコに与えるとこれもまた死んでしまうそうですが、前者は玉ねぎの成分を分解して無毒化する酵素が無いため、後者は消化がうまく出来ないため、お腹の中が詰まってしまうからと考えられています。

ちなみに、人間はビタミンCが必要ですが人間以外の動物は体内で合成できるため、ビタミンCを取らなくてもまったく心配は入りません。このように、人間には良くても動物には害になったり必要でなかったりすることがいろいろあります。

なお、神農さんの最後は、藤に似た黄色い可憐な花を咲かせる和名を「つたうるし」というフジウツギ科の猛毒のある植物をなめて命を落としてしまいます。この時、神農さんの腸が切れていたため、その毒草は断腸草とも呼ばれるようになったそうです。もしかしたら、「断腸の思い」はここからもきているのかもしれません。

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