知らないうちに内出血のアザが出来ていたり、歯を抜くと血が止まりにくい体質の方がおられます。また、生理の時の出血量が異常に多かったり、生理の出血がいつまでもダラダラと長びくような傾向がある方もおられます。
こういう場合、西洋医学では血小板らが減少していないか・ビタミンCやビタミンKなどが不足していないか・肝臓や婦人科系らに病気がないかなどを調べます。しかし、いくら検査をしても何も異常が見つからないことがあります。
中医学では、こんな場合には「脾の異常」を疑います。中医学では、脾が弱ると出血しやすくなると考えられています。脾を丈夫にすると、原因不明の血便や血尿・皮下出血などの異常な出血が消えたりすることがあります。
また、食欲があってもなかなか食べられないときは、胃の粘膜の乾燥が原因になっていたりします。この状態は胃陰虚と呼ばれ、大便も乾燥して固くなります。胃を潤す働きのある麦門冬(ばくもんどう)や生地黄(しょうじおう)・氷砂糖などを使って治療していきます。
胃のあたりが熱く食事を取ると痛みが強くなる・食べてもすぐに空腹になる・口がよく渇き冷たいものを好む・口臭が強い・胸やけがする・酸っぱいゲップがあるなどは、胃熱という強い炎症状態があると考えられ、歯肉炎や歯ぐきからの出血も起こりやすくなります。こんな場合には、黄連(おうれん)やキハダなどの苦い生薬の配合された漢方薬を使って胃熱を取る治療をします。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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