「季節性アレルギー性鼻炎」、これが“花粉症”の正式な名称です。花粉症は、特定の植物の花粉によって引き起こされるアレルギー性疾患の1つで、飛散している花粉が目に入ったり鼻の粘膜に接触することで発症します。毎年、特定の植物の開花時期に発症をくり返すことが、花粉症の大きな特徴です。
日本で一番、患者数が多いのはもちろんスギ花粉によるものですが、最近はどういうわけか、他の植物の花粉にもアレルギーを起こすスギ花粉症の患者さんが増える傾向にあります。
毎年、飛散するスギ花粉の量は一定ではなく、前年の夏の天候の具合いによって大きく左右されます。例えば前年の夏、暑くて雨がほとんど降らなかった場合は、スギの雄花(おしべ)の生育がよくなるため次の年の花粉の飛散量はかなり増加します。
また通常、スギ花粉が飛ぶのは2月中旬から4月の中頃までですが、引き続いてヒノキやブナ、マツ、さらに6月からはイネ科の植物、夏から秋にかけてはブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどほとんど年中、花粉症の原因となる植物の花粉が日本列島を飛散しています。
つまり、よく考えてみれば、他の植物の花粉にもアレルギーを示すスギ花粉症の患者さんが増えてきている現象は、日本では、そのうちに花粉症が単なる季節性の病気でなくなるということを示唆しているわけです。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
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◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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