花粉症の一番の原因であるスギ花粉は、年初からの最高気温の合計が450度を越える頃、大体、2月の中旬に本格的に飛び始めます。
また、スギ花粉が飛散のピークを迎えるのは、年初からの最高気温の合計が750度に達したときとされ、例年、3月上旬の晴天の日がそれに当たります。
今年は花粉の量が去年の30倍以上ということで、私のところでも、花粉症の相談がボツボツと増えてきております。しかし、意外と多いのが花粉症に使う薬の副作用による症状です。
先日も、頭痛が2ヶ月以上も続き鎮痛剤を病院でもらって飲んでいるが一向によくならないという方が来られました。大きな病院へ行って精密検査をしても、脳外科でMRIも撮ってもらってもどこにも異常は見られないと言われます。しかし、慢性に続く原因不明の頭痛で、非常に困っているという話です。
念のため、病院でもらっている薬や薬局で買った薬を見せてもらったところ、市販の花粉症の点鼻薬があったため、漢方薬は出さずに、それを使うのをしばらく止めて様子を見るようにアドバイス差し上げました。
それから3日後、「ウソのように頭痛が消えました」と奥さんと一緒にお礼に来られましたが、やはりこちらが想像した通りに点鼻薬に含まれている血管収縮剤が原因不明の頭痛の原因だったようです。
市販されている花粉症の薬の多くには、鼻水や鼻づまりを解消させるため、内服薬、外用剤を問わず血管収縮剤が配合されています。
血管収縮剤は、使い方を間違えたり、血圧の高い人が使うと、一時的に血圧の急激な上昇を引き起こし頭痛や脳内出血の原因になることがあるので、使用する前に添付文書をよく読む必要があります。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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