慢性のつらい痛みで漢方薬を飲むからには「多少時間が掛かっても、一時的でなく根本から治したい!」あなたもそう思ってはおられませんか?

腰痛・坐骨神経痛・関節痛・関節炎・神経痛・リウマチなど、“痛みに効く”と効能書に書いてある薬や漢方薬はいくらでもあります。

しかし、ここで見逃してならないのが、それらに、“自然治癒力”を増す力がどれだけあるかです。

一時的に痛みが軽くなっても、自然治癒力が十分に働いてくれなければ、いくら効能書に痛みという文字が書いてあっても、慢性の痛みが根本からよくなることはほとんどありません。

よくある例が、鎮痛剤や痛み止めの座薬などの場合です。使ったその時は確かに楽になりますが、薬の効き目が切れてくれば痛みは強さを増してまたぶり返して出てきます。

実は、私にも失敗した経験があります。30年近く前、大阪で漢方の勉強をしていた頃の話です。

最初は、先輩たちのやり方を踏襲していました。つまり、漢方薬の効能書を見て、あてはまる症状がいくつあるかで漢方薬を選ぶ方法です。しかし、このやり方では、根本的に症状が全然、よくなってはくれないのです。一時的に痛みを楽にするだけで、漢方薬というよりも鎮痛剤を使っているのとまったく同じです。

『自然治癒力を十分に高めてくれる漢方薬を選んで、症状に合わせた養生法を実行する!!』

試行錯誤をくり返しいろいろと回り道をしましたが、結局、これが多少時間が掛かっても、“慢性のつらい痛み”の改善に一番効果的な方法であるということを悟りました。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら