前回なぜ、漢方や薬剤師の職能について述べたのかといいますと、それは新潟県の中越地震があったからです。
中越地震のような大規模な災害では、道路や鉄道などの交通網や電気・ガス・水道などのインフラにも大きな被害が発生したりして、ケガや病気になっても病院などの医療施設で治療を受けれなくなる可能性があります。
また、現在の日本のような非常に恵まれた医療環境の中では想像しにくいとは思いますが、薬が不足したり、検査機器が不備であったりして治療できないケースも被災地では数多く発生しています。
今回の中越地震の場合では、各方面からの懸命な救済活動により、道路や鉄道などの交通網や電気・ガス・水道などのインフラの復旧もかなり早いペースで進み、医薬品や食料などの救援物質も概ね順調に供給されている模様です。
しかし、避難生活を余儀なくされている方々はまだまだたくさんおられ、避難生活のストレスによる不眠や神経症が大きな問題になっています。こうした場合、多くの方が睡眠薬や精神安定剤の使用を考えますが、漢方薬でなく、漢方の知恵を使えば簡単に解決する可能性があります。
【漢方の知恵】その1
足の裏、かかとの中央にある失眠(しつみん)というツボをマッサージする。水分や血液、老廃物の代謝をよくする。
【漢方の知恵】その2
足の裏の中央よりやや足先にあり、足の指を折り曲げたときにできるくぼんだ部分をマッサージする。湧泉(ゆうせん)というツボで、緊張を和らげ、全身の血行をよくしてだるさや疲労感を改善する。
・・・まだまだ、続きます。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら