西洋医学では、不眠というとまず精神安定剤や睡眠薬が処方されるように、脳神経の異常な興奮が不眠の主な原因であると考えられています。しかし中医学では、不眠はもう少し違った原因から起こる病気というふうにも捉えられております。

なぜなら、西洋医学では思考や精神を支配する機能は脳にあるとされていますが、中医学では五臓六腑の「心」がその役目を担っているとされているからです。

心は、西洋医学の心臓と同じような血液を送るポンプとしての役目だけでなく、思考や精神を宿す働きを持っている臓器で、中医学では精神状態を安定させるには、心を養う気・血(血液)・水(体液)が心に十分な量あることが必要不可欠と考えられています。

ですから、何らかの原因で心の気が不足すれば、心の働きが弱まり不安感が増大して、細かいことが気になる・寝つきが悪い・こわい夢をよく見る・少し動くとすぐ動悸がする・疲れやすいなどといった症状が現れます。

また、心の血が消耗すれば、血色が悪い・動悸がするなどとともに、夜中に目が覚めて眠れない、なかなか寝つけないなどの症状が現れ、心の水が十分でなくなれば頭や身体がのぼせたり火照ったりして、気分が高ぶってなかなか眠れない、一晩中悶々として一睡もできないなどといった不眠の症状が起こってきます。

こうしたタイプの不眠は中医学では「虚の不眠」と言われ、精神安定剤や睡眠薬などのいわゆる気を抑える作用を持つ薬を使い続けると、いずれ見当違いの結果を引き起こしてしまいます。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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※ この記事の著者:主任薬剤師 城戸 克治 プロフィール