前回、お話ししましたように、その時代の食糧事情あるいは食習慣の変化などによって、どういう病気に罹りやすくなるかはいろいろと大きく異なってきます。
例えば、昔は玉子や肉などの動物性の食品は大へん高価なもので、いくら身体によいといわれていても重い病気にならなければ滅多に食べさせてもらえないものでした。しかし、今では価格も大幅に下がりいつでも自由に食べられるようになったのに、動脈硬化やアレルギーに悪いなどといわれて昔とはまったく逆の意味で消費にブレーキがかかってきています。
つまり、以前は身体に良い食品であっても、時代背景が変わると身体に悪い食品にされてしまう恐れがあるということです。ですから現在、身体に悪いとされている食品が時代背景が変わって、良い食品の仲間に入れられる可能性は多大にあります。
また昔から、バランスの良い食事が大切であるというふうに言われてきましたが、あまりに当たり前のことなので誰も興味を示さなくなってしまいました。そして、ついに「あるある大辞典」や「おもいっきりテレビ」などの1つの食品で健康になることを謳った番組が社会現象を引き起こすまで大きな影響力を持つようになってしまっています。
しかし、西洋医学の立場からみても、中医学的な見地からしても、これらの番組の情報は必ずしも正しいものばかりとはいえません。私には時々、「おもいっきりテレビ」が「おもいつきテレビ」のように見えるのですが、皆さんはどうでしょうか?
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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