第247回 「温泉乱発の裏事情」

昔は、別府や有馬、草津など、
お湯が自然と豊富に湧き出ているところを
温泉と呼んでいたのですが、
昭和の中頃に作られた
「温泉法」という法律によって、
温泉の定義自体が大きく変わりました。

温泉法は、源泉での温度が
25度を越えていれば、
含まれる成分や量に関係なく
温泉の指定を受けることができたり、
25度以下でも特定の成分が
1つでも基準の量を満たしていれば
温泉と名乗れる非常に寛容な法律です。

近年、温泉ブームによる影響で
全国各地で温泉施設が建設されて
まるで雨後のタケノコ状態を示していますが、
その背景にも温泉法は深く関係しています。
なぜなら、地下では100m掘るごとに
地中の温度が約3度ずつ上昇するため、
水脈のありそうなところを見つけて
1000m近く掘り下げてやれば、
温泉法の定義に合致する
25度以上のお湯は湧出するからです。

つまり極端なことを言えば、
昔と比べ掘削技術が格段に進歩して
1000m近く掘ることが
それほど困難でなくなってしまった現在、
温泉はどこでも湧出する可能性があります。
つい先日、京都の大原三千院の周辺で
温泉が湧き出たというニュースを耳にしましたが、
これもおそらく似たようなケースでしょう。
日本の憲法だけでなく温泉法にも、
もうそろそろ現状に適合した改正が
必要になってきているような気がします。

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