第22回 今、花粉症の薬が危ない?

花粉症の発作期の症状を抑えるには、日本では「小青竜湯」という漢方薬をよく使いますが、この薬は葛根湯の仲間で体を温める作用があります。ですから、冷えのタイプにはよいのですが、熱のタイプにはあまり使いません。

また、「大リーグの選手が練習中に死亡し、使用していたダイエット薬の中に含まれるエフェドリンが、心臓発作を引き起こしたものとみられている」という記事が、最近の新聞に載っていましたが、葛根湯と小青竜湯にも、麻黄(マオウ)というエフェドリンを含む植物が使用されています。この成分は交感神経の興奮作用を持っていますので、血圧の高い場合や心臓の病気がある方・体力が弱っている方などは注意して使用されたほうがよいでしょう。また、胃腸の弱い方も避けられたほうが無難です。

同様に、市販されている鼻炎や花粉症の薬にも塩酸フェニルプロパノールアミンという交感神経刺激剤が含まれている場合が多く、しかもこの成分は中毒量と通常の使用量との差が少ないため、用法・用量を守ることだけでなく体重や体調などにも考慮して使わなければなりません。また、連用にも注意が必要になります。特に、交感神経刺激作用による血圧上昇・排尿障害・甲状腺機能亢進の症状の悪化などを引き起こす可能性があるため、これらの病気や脳出血の既往がある人には禁忌になっています。

さらに、米国では、脳出血を引き起こす可能性があることからこの成分が含まれているものは2000年から販売中止になっており、中国やカナダでも同様な措置がとられています。それに、交感神経を刺激するということは基本的には「怒ること」と同じことですから、こういう薬を服用している場合は、特にイライラすることを避けできるだけ精神の安定に努めた方がよいでしょう。

そういったわけで、私のところでは上記の成分が含まれていない薬をなるべく選ぶようにするか、または使っても出来るだけ服用を減らせるような工夫を考えます。そして、熱のタイプには、板らん根などの清熱解毒の作用を持つものを併用して対処するようにしています。

サブコンテンツ

ページの先頭へ

メニュー