第210回 本当はとても怖い!葛根湯

日本では漢方薬は医薬品の扱いをされておりますが、アメリカでは健康食品のカテゴリーに分類されています。ですから、日本では漢方薬やその原料である生薬は薬局・薬店でしか販売できませんが、アメリカでは健康食品として薬局・薬店以外のところでも販売が可能です。

しかし、こうした現実は意外と大きな危険性を内部に含んでいます。何故なら、漢方薬は誰にでも安心して使うことの出来る副作用のない薬とは決して言えないからです。

例えば、今年の4月初めにアメリカで「エフェドラ」というダイエットや元気を増す効果があると販売されてきた植物由来の健康食品が、脳内出血や不整脈などを引き起こす危険性があるとして全面的に販売禁止に追い込まれました。

エフェドラは麻黄(まおう)という薬草で風邪や鼻炎の漢方薬としてよく使われる葛根湯や小青竜湯などにも多く含まれていますし、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)という便秘やダイエットによいとしてテレビや新聞のCMなどで盛んに宣伝されている漢方薬にも配合されています。

エフェドラ、すなわち麻黄からはせき止めの薬にもなる「エフェドリン」が抽出されますが、これは覚醒剤の仲間でもありますから続けて使用しているとだんだん身体が痩せてきたり神経が興奮して眠れなくなってきたり、ひどい場合には生命に影響を及ぼす危険性さえも出てきます。

従って、麻黄の配合された漢方薬はいくらテレビや雑誌などで安心感のある広告がされていても、よく注意して使用しないといけない漢方薬の代表的なものと言うことが出来ます。

配合されている生薬のことを考えずに、名前や効能・効果だけで漢方薬を判断していると大変な目に会うことは決して少なくありません。漢方薬は副作用がないのではなくて、副作用が出ることのないように体質や症状を考慮して本来使うべきものです。

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