読者のTさんから、お手紙をいただきましたので、花粉症について少し説明をしたいと思います。

「いつも楽しく拝見させていただいています。大阪に住む31歳の花粉症の男です。今の時期になると花粉症に悩まされます。予防策として、耳鼻科から抗アレルギー剤をもらい、ヨーグルトを食べ、甜茶を飲み、シソの味油のサプリメントを食しています。いっそのこと、何年かかってもいいので、体質から変えて杉花粉に負けない身体を作りたいのですが、最近良く聞く注射を打つ方法だけは、抵抗があります。そこで、先生の中医学では、花粉症体質を変えてしまうような方法がありますでしょうか? HPで取り上げていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。」

中医学の花粉症対策は、鼻水・鼻づまり・くしゃみ等の発作期の症状を抑えることと体質を改善することは分けて考えます。また、発作期の症状も、水っぽい透明な鼻水が出る「冷え」が原因の場合と黄色っぽい粘り気のある鼻汁が出る「熱」が原因の場合というように、2つのタイプに分けて治療します。

冷えが原因となっている場合は、生姜・ネギ・シソなどの身体を温めて水分を発散させる性質の食べ物を意識して取るようにします。メロン・バナナ・アイスクリームなど、身体を冷やす性質の食べ物は控えます。

熱が原因となっている場合には、菊花・板らん根・ハッカなど、熱や炎症を抑える働きを持つハーブを使います。生姜・唐辛子・ニンニクなど、体に熱を持たせる性質の食べ物は避けます。

また、小豆(あずき)やモチ米が原料の食品を食べると、熱が体に籠もり化膿しやすくなるので、熱タイプの花粉症や赤いニキビ、火傷(やけど)、手術や抜歯の前後は、摂取を控えられたほうがよいでしょう

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら