今から30年ぐらい前に、アメリカでは「米国ガン法」という国を挙げてのガンを撲滅しようとする運動が制定されました。その頃、私は中学生ぐらいでしたが、新聞や雑誌の新年の座談会などで、「10年後や21世紀には ガンの特効薬が発明されてガンは不治の病いではなくなるだろう」といった話が、毎年のように力強く掲載されていたことを覚えています。

おそらく、世界一の大国であるアメリカがガンの研究に本腰を入れれば近い将来にガンは制圧できるだろうと、日本の医学者たちも考えていたのでしょう。しかし、10年後はおろか、21世紀の時代になっても一向にガンの特効薬は発明されず、だんだん袋小路に入っていく気配さえ感じます。

現在のところ、アメリカ人の死因のトップは心臓病や脳卒中などのいわゆる循環器の疾患ですが、それらの治療の方法は順調に進歩して死亡率は30年ぐらい前と比べると半分以下に減少してきています。

一方、ガンの場合は研究は進展しているにもかかわらず、死亡者のほうは減るどころか、倍近く大幅に増加してきており、循環器疾患になり代わり死因のトップになるのは時間の問題です。

現在、代替医療という言葉がガンの治療の場でよく使われておりますが、それはガンに対しての研究があまりにも細分化されてしまって、人を治すことではなく病気を治すことばかりに集中しすぎた反省の言葉でもあると私は見ています。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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