第201回 「薬剤師は見た!」

今から30年ぐらい前に、
アメリカでは「米国ガン法」という
国を挙げての
ガンを撲滅しようとする運動が制定されました。
その頃、私は中学生ぐらいでしたが、
新聞や雑誌の新年の座談会などで、
「10年後や21世紀には
 ガンの特効薬が発明されて
 ガンは不治の病いではなくなるだろう」
といった話が、毎年のように
力強く掲載されていたことを覚えています。

おそらく、世界一の大国であるアメリカが
ガンの研究に本腰を入れれば
近い将来にガンは制圧できるだろうと、
日本の医学者たちも考えていたのでしょう。
しかし、10年後はおろか、
21世紀の時代になっても
一向にガンの特効薬は発明されず、
だんだん袋小路に入っていく気配さえ感じます。

現在のところ、
アメリカ人の死因のトップは
心臓病や脳卒中などの
いわゆる循環器の疾患ですが、
それらの治療の方法は順調に進歩して
死亡率は30年ぐらい前と比べると
半分以下に減少してきています。

一方、ガンの場合は
研究は進展しているにもかかわらず、
死亡者のほうは減るどころか、
倍近く大幅に増加してきており、
循環器疾患になり代わり
死因のトップになるのは時間の問題です。

現在、代替医療という言葉が
ガンの治療の場でよく使われておりますが、
それはガンに対しての研究が
あまりにも細分化されてしまって、
人を治すことではなく
病気を治すことばかりに集中しすぎた
反省の言葉でもあると私は見ています。

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