世界的に有名なアルゼンチンのサッカー選手「マラドーナ」が急性の心臓と呼吸器の重い障害で入院して一週間以上が経過しています。現在、人工呼吸器を着けたり外したりしている状態ですが、医師団によれば、引き続き警戒が必要で回復は長く困難なものになるだろうという話です。

マラドーナの病気が覚醒剤や麻薬と直接の関係があるかどうかはまだ明らかにはされていませんが、医学的に見れば、それらの影響がかなり大きいと考えるほうが妥当でしょう。また、ダイエットや運動能力の向上などに効果があるとして販売されてきた「エフェドラ」という成分を含んだサプリメントの製造と販売が4月12日、米国でもようやく禁止になりました。

禁止の理由は、心臓発作や脳卒中を起こす危険性が高いということによるものです。米国では服用者164人が死亡したとされ、米食品医薬品局(FDA)が昨年12月末に販売の禁止をすでに発表していました。

エフェドラは、葛根湯(かっこんとう)や小青竜湯などの漢方薬に使われる「麻黄(マオウ)」という薬用植物の英語名で、エフェドリンという気管支を拡張する成分を含んでいます。そのため、麻黄やエフェドリンは
気管支喘息の治療などに使われますが、長期連用すると不安や幻覚を伴う精神症状が現れたり、中枢神経の興奮作用も有するために使い方によって不整脈や心停止を起こす場合があります。

「漢方薬だから、薬草だから、○○○だから」と巧妙に安心感を与える広告が流行していますが、その言葉の裏には思わぬ危険が隠されていることも多いものです。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

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