以前に述べた副腎の萎縮による副腎皮質の機能不全のほか、ステロイドの副作用としてよく知られているものに、消化性の潰瘍が出来やすくなる・神経症やうつ症状などの精神症状が出やすくなる・カリウムが異常に減少して筋肉の収縮が正常に出来なくなり心不全が起きやすくなる・免疫の抑制作用により細菌やウィルスなどに対する抵抗力が弱くなる・骨粗しょう症が起こりやすくなるなどがあります。

ステロイドを薬として長期間使用する以上、特に使い方を誤らなくてもこれらの副作用の影響はある程度出てきます。なぜなら、ステロイドの持っている作用や副作用は、目的の部分以外のほとんど全ての細胞にまで及んでしまうからです。

そのため、ステロイドを薬として長期間使用する場合には、副作用をなくすということよりも、どうやって重大な副作用を減らすかに重点が置かれます。

例えば、ステロイドは朝に多く分泌されますが、ある程度の量になるとブレーキが掛かって夕方には分泌量が低下していきます。そして、分泌量が低下した状態になるとブレーキが解かれ、翌朝にかけてまた徐々に副腎皮質ホルモンの分泌が上昇していくというサイクルが繰り返されます。

現在の薬物療法でも、このリズムを利用して副腎皮質の機能の低下を防ぐようにしています。つまり、朝にステロイドを飲んで、夜は飲まないようにして分泌量の低くくしておきます。そうすれば、また朝になると
体内のステロイドを分泌する仕組みが働くので、副腎皮質の機能低下が予防できるというわけです。

アトピーの患者さんは「夜になると痒くてたまらない!」ということをよくおっしゃられますが、ステロイド分泌の体内リズムを考えればそれもある程度は説明がつきます。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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