第187回 アトピーは、なぜ夜に痒い?

以前に述べた副腎の萎縮による
副腎皮質の機能不全のほか、
ステロイドの副作用としてよく知られているものに、
消化性の潰瘍が出来やすくなる・
神経症やうつ症状などの精神症状が出やすくなる・
カリウムが異常に減少して筋肉の収縮が
正常に出来なくなり心不全が起きやすくなる・
免疫の抑制作用により
細菌やウィルスなどに対する抵抗力が弱くなる・
骨粗しょう症が起こりやすくなるなどがあります。

ステロイドを薬として
長期間使用する以上、
特に使い方を誤らなくても
これらの副作用の影響はある程度出てきます。
なぜなら、ステロイドの持っている
作用や副作用は、目的の部分以外の
ほとんど全ての細胞にまで及んでしまうからです。

そのため、
ステロイドを薬として
長期間使用する場合には、
副作用をなくすということよりも、
どうやって重大な副作用を減らすかに
重点が置かれます。

例えば、ステロイドは朝に多く分泌されますが、
ある程度の量になるとブレーキが掛かって
夕方には分泌量が低下していきます。
そして、分泌量が低下した状態になると
ブレーキが解かれ、翌朝にかけて
また徐々に副腎皮質ホルモンの分泌が
上昇していくというサイクルが繰り返されます。

現在の薬物療法でも、
このリズムを利用して
副腎皮質の機能の低下を防ぐようにしています。
つまり、朝にステロイドを飲んで、
夜は飲まないようにして
分泌量の低くくしておきます。
そうすれば、また朝になると
体内のステロイドを分泌する仕組みが働くので、
副腎皮質の機能低下が予防できるというわけです。

アトピーの患者さんは
「夜になると痒くてたまらない!」
ということをよくおっしゃられますが、
ステロイド分泌の体内リズムを考えれば
それもある程度は説明がつきます。

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