ステロイドの内服薬に比べると、外用薬のほうは副作用の心配をそれほどしなくてよいといわれていますが、アトピー性皮膚炎の場合では外用薬でもそう簡単に考えることは出来ません。
なぜなら、ステロイドの効果が弱くても、またステロイドの含有量が少なくても、塗る範囲が広かったり、塗る回数が多ければ全体的にはかなりの分量になってしまうからです。
特に、アトピー性皮膚炎のように、粘膜や潰瘍面などのバリアが損なわれた部位に使用することが多い場合には、薬剤の吸収率も増すために血中濃度が上昇して全身への影響も無視出来なくなります。
また、子供さんがアトピーの場合、お母さんが薬を塗ってあげることが多いものですが、塗った後の手は必ずよく洗って下さい。手を洗わずに、そのままクリームや軟膏のついた手で顔や目の回りをさわっていたりしていると、子供さんだけでなくお母さんの方にも白内障・緑内障・にきび・多毛などのステロイドの副作用が現れることがあります。
一般に、どんな成分の軟膏でも、皮膚への吸収率にはそれほどの差がないというふうに思われているようですが、ステロイドの場合は皮膚にすぐ吸収され飽和した状態になるので、さっと、薄く塗るだけでも十分に効果があります。また、副作用を減らす意味でも、決して擦り込んで塗ってはいけませんし、患部以外の部分に薬がつかないように気をつけることも大切です。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
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※ Q先生:邱永漢(きゅう・えいかん)
第34回直木賞受賞。経済評論家としても有名。
ほぼ日刊イトイ新聞「ハイハイQさん」で、城戸克治はコラムを3年間連載する。
※ この記事の著者:主任薬剤師 城戸 克治 プロフィール