第185回 止めたら危険! ステロイド

「アトピービジネス」などの影響で、ステロイドは必要以上に悪者扱いをされていますが、もともと私たち人間の身体の中に存在する物質で、腎臓の上についている副腎皮質から分泌されるホルモンの一種です。

私たちの身体は、神経系と内分泌系という主に二種類の命令系統によって支配されており、神経系は神経線維を通して素早い命令の伝達を行なっています。

しかし、内分泌系は神経系と違って専用の伝達の回線を持っていないため、血液中にある物質を放出して命令の伝達を行なっています。その物質がホルモンで、脳下垂体・甲状腺・副腎・膵臓・性腺などの
内分泌器官から分泌されています。

ステロイドが他のホルモンと大きく異なるのは、それに対する受容体がほぼ全身に分布しているところです。そのため、ステロイドを薬として使う場合、いろいろな広範囲の疾患に有効になりますが、逆にまた副作用も広い範囲に起こってきます。

特に注意しなければならないのは、ステロイド剤を1週間以上も飲み続けている場合で、「ステロイドが身体に悪いから」と、周囲の人たちからいわれて自分勝手に飲むのを急に止めてしまうと、体内ではもうすでにステロイドをほとんど作れなくなっているため、ステロイドホルモンの不足が起こります。

さらに、ステロイドは成長ホルモン・アドレナリン・ドーパミン・グルカゴンなどの他の重要なホルモンの効果を増強する作用も持っているため、ステロイドの不足は同時にそれらのホルモンが不足する状態も引き起こし、私たちの生命は大変に危険な状態に晒されます。

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