第182回 「Qちゃん落選」、中医学では?

私は中医学の研究をしていますが、それだけを勉強しているというわけではありません。むしろ、西洋医学の勉強をすることも同じぐらい大切で、お互いの長所や短所を知っておかなければ、決して患者さんのためにはならないと思っています。

なぜなら、中医学が医学的に西洋医学より優れているというよりも、中医学が西洋医学とは違った角度から病気というものを捉えているために、西洋医学の治療の方法で効果がなくても中医学で治療すればよくなる可能性があると考えているからです。(もちろん、その反対の場合もあります。)

先日のアテネオリンピックの女子マラソンの選考会では、惜しくも高橋尚子選手が落とされてしまいましたが、あまり上手な選考方法とは思えません。というのは、選考レースの条件も考慮せずに、記録だけで選んでしまった感じがするからです。

高橋選手が出場したレースのように気温が高く、向かい風が強ければ、その分だけ記録は当然出にくくなりますし、本人の体調だけでなく他の選手のコンディション・コース・天候などの条件でも記録は大きく左右されます。

マラソンだけでなくゴルフなどの場合にもいえることですが、悪いコンディションの中でプレーするのなら記録が悪くても勝つことは十分に出来ます。逆に、コースも天候もよい状態であれば、他の選手の記録も当然よくなりますから、こちらの記録がいくらよくても勝つことは難しくなります。

このように、記録やデータだけを絶対視することの誤りは、医学の世界にも同じように存在しています。特に、中医学においては、相手や状況による相対的な部分を加味して考慮することは、とても重要で絶対に欠かすことの出来ないものです。

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