人間の皮膚には体外の異物や刺激から身体を守るために、「セラミド」というバリアー層が存在しています。
正常な人ではセラミドが身体全体を均一に覆っていますが、アトピーでは不均一だったり欠損していたりするため、外部からの刺激を受けやすくなっています。
つまり、紫外線・乾燥・汗・空気中の汚染物質などの外部からの刺激が、セラミドが持つクッション的な保護作用で和らげられることなく、ダイレクトに皮膚に伝わってきてしまうのです。そのため、皮膚はさらに傷み、傷みは痒みや痛みを呼び起こします。
ですからアトピーの症状を改善するには、漢方薬の服用だけでなくセラミドが修復できるようになるまで皮膚を保護するスキンケアが必要になります。中医学では、黄柏・ウコンが主成分の中黄膏(ちゅうおうこう)という軟膏で患部を保護したり炎症を抑えたりして、症状を緩和させます。
また、アトピーでは入浴で汗や汚れを流して皮膚を清潔に保つことが大切ですが、お風呂やシャワーで皮膚の修復が妨げられる可能性もあります。入浴する場合には、お湯は体温より少し高めの温度にする、なるべく短時間で上がる、保湿用クリームを使うなど、皮膚への気配りが必要となってきます。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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