「アトピー」とはギリシャ語で原因不明を意味する言葉だそうですが、現代医学の立場から考えても十分に納得できます。

西洋医学的に考えれば、炎症は身体の警告反応であり、組織が修復するように働くための生体反応の一つです。言い換えれば、炎症は身体の修復過程の始まりであるということです。手術やケガをした場合などでも傷の部分は炎症を引き起こしますが、時間がたてば炎症は治まり、組織は修復されて傷は治癒していきます。

しかし、アトピーでは患部が炎症を起こしていてもグジュグジュしたままの状態が続き、いつまでたってもなかなかよくなってはくれません。

通常、このように傷がなかなか治らないということは白血球の働き、つまり免疫反応が弱っていることを意味します。しかし、免疫が過剰反応している場合も傷の治りは悪くなり、アトピーはこの状態に該当するのです。

中医学では、炎症を抑えるには黄連や黄柏などの寒涼の性質を持つ生薬が配合された漢方薬を使いますが、アトピーには、それに四物湯という血液を補い血の巡りをよくし身体を温める働きのある漢方薬を加えて使います。患部を冷やしながら、内部を温めるためです。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
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TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

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