ある調査によれば、最近の子供たちの体温は以前と比べると1度以上も下がってきているそうです。人間の体温には至適温度というものがあり、高過ぎても低過ぎても身体によくありません。

例えば、温泉やサウナなどに長い時間入って体温が38度以上になると、急激に血液の粘度が増してきて血栓が出来やすくなります。逆に、36度以下に体温が下がれば冷え症などの症状が出やすくなるだけでなく、体内の生理学的反応を調節している酵素の働きにも悪影響を及ぼします。

例えば、アトピーの外観は炎症を起こしている状態に見えますが、実際は身体の内側が冷えて低体温になっている胃腸の働きが悪い患者さんが多く、上記の症状が改善するとアトピーもよくなるケースが目立つように感じます。

低体温になる大きな原因の一つには、まずジュース・アイスクリーム・果物などの冷たい食べ物の取り過ぎが考えられますが、中医学的に見れば過度のストレスや精神的な緊張による「心の冷え」が根本的な原因になっている場合が意外と多いものです。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

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