現在、「にがり」を使ったダイエットが流行していますが、実はこの仕組みは下剤の効果を応用したものです。

病院でもよく使う硫酸マグネシウムや酸化マグネシウムという塩類性の下剤と同じように、腸内の浸透圧を高め腸内の水分量を増やし便を下痢状にして排出させます。ですから、最初は大量の便が出て確かに体重が減りますが、後はそれほど変化は起こりません。当然、便秘薬を使った減量法と同じ性質のものですから、体力が弱っていたり腸に障害がある方には注意が必要ですし、腎臓透析や心臓疾患で治療中の方には生命に危険が出る場合さえあります。

基本的に、カロリーを落とさずに体重を減らすことは、運動量を増やす以外に不可能なことです。もし、それ以外の方法である程度の体重を減らせるというものがあれば、まず何か身体に有害な作用があるのではないかということを疑ってみる必要があります。

最近の新聞にも、やせる効果をうたった健康食品から下剤に使われる医薬品のセンナが検出されたという薬事法違反に関連した記事が載っていましたが、ダイエット用健康食品に下剤や食欲抑制剤などを混入するといった悪質で危険な行為は、世界中で後を絶ちません。

「健康食品だから」「サプリメントだから」などと、安全が保証された製品であるかのようについ錯覚しがちですが、必ずしもそうでないことを覚えておきたいものです。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら