第168回 「三国志と中医学」

「気・血・水」とは、中医学におけるいわば仮想的な病気の原因論とでもいうべきものです。気・血・水 を生体維持の三要素とみなし、それらが互いにバランスよくスムーズに循環することで健康は保たれると考えられているのです。

一般に、東洋人はものごとの本質を自分の内なる部分に探し求める傾向があり、外部に原因を見つけることよりも自分をコントロールしたり自然と調和することに解決の糸口を見出します。

中医学の場合でもそれは同様で、病気を治すということよりも健康な状態にどう回復させるかということが重要視され、身体が本来持っている生命力や自然治癒力を引き出したり、身体の陰陽のバランスをとるなどといった病人を健康に導くことに大きなポイントが置かれます。

一方、西洋医学の場合は、まず病気を定義することから始まりますから、身体の自然治癒力に働きかけて病気を治していこうという発想は乏しく、病人を治すということよりも病気をやっつけるとか闘うといった姿勢になりがちです。そのため、「病気は治ったが患者は死んでしまった」などというおかしな話を聞くことがあります。

古来、中国には「下医は病人を治し、上医は国を治める」という有名なことわざがありましたが、確かに、管仲や孔明など歴戦の大軍師ほど、中医学的な考え方と同じように周囲の国々とのバランスに細心の注意を払っていたようです。

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