第165回 致死率50%、女性だけの病気?

薬は悪いものではありません。適切に使うなら、非常に有効な道具です。瀕死の状態で病院に運ばれてきた患者が、薬でなんとか命を助けることが出来たという例はいくらでもあります。

もしも、抗生物質や副腎皮質ホルモンなどがなかったら、お産の後とかちょっとした感染症や傷でも命を落としてしまうことがずっと続いていたでしょうし、おそらく日本人の平均寿命も今の半分ぐらいにもならなかったでしょう。例えば、昔はお産は命がけの仕事で、産褥熱などの感染症で妊婦の半分近くがその犠牲になっていたのです。

「本来、薬は草の字に楽になると書くように、人びとのためになるものです」薬をすべて目の敵にするような態度は、非常に短絡的であると云わざるを得ません。薬が悪いのではなく、薬の使い方を間違えての事故を薬のせいにしてきたことにむしろ大きな問題があります。

英語では『メディスン』と『ドラッグ』のように薬を区別して呼んでいますが、日本語では身体のために作られた薬とそれ以外の薬も一緒にまとめて薬と呼んでいます。こんなところにも、日本人が物事を深く考えないですぐに単純化してしまう悪いクセが表れているようです。

また、薬は症状を和らげることはできますが、病気を治すものではありません。症状をコントロールして落ち着かせ、その間に自然治癒力が高まった場合に病気が治るのです。つまり、症状が楽になることと、
治ることは全く違うことなのです。

ですから、症状を消す治療を受けているのか、自然治癒力を高める治療を受けているのかを明確に区別して考えないと、思わぬトラブルを引き起こしてしまうことがあります。

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