第163回 頭の回転がよくない人は?

中医学では、血液は水穀の精気すなわち営気を基礎にして生成されたものと考えられています。ですから、中医学の「血」には、西洋医学の血液の概念だけでなく、営気の機能である精神活動の部分も含まれます。具体的に言えば、血液が順調に流れないと精神活動のほうも正常に働くことは出来ず、安定した状態を保てないということです。

日本でも、頭の回転がよくないことを「血の巡りが悪い」とかいいますし、怖い思いをした場合には「血の気が引く」とかというふうに表現します。これらは、血液の巡りが精神的な症状に影響を与えるということが
昔から経験的に分かっていた証拠でもあります。血は脈管に沿って循環し、絶えず栄養物質を全身に運び肝臓・腎臓などの各臓器の活動を支えています。

また、血の生成には、主に脾胃の働きによって作られる水穀の精気が基礎になっていますが、他の臓器の働きも密接に関係しています。例えば、心臓の血液を全身に循環させる機能は、新しい血液の生成を促進させますし、肺は送り込まれた血液を清気と結合させることで新鮮な血液に生まれ変わらせます。

さらに、肝は脾胃と心の働きを助けて血の生成を側面から支え、腎に貯えられている元気は脾胃の水穀の気やミネラルなどの成分の血液への転化を促進します。

※もう少し付け加えれば、血液の循環にも心臓だけでなく他の臓器が協力し合っています。肺は気を巡らす作用によって心臓による血液の循環を助け、脾は固摂作用で血液が外に漏れることを防ぎ、肝は血液を貯蔵して血流の量を調節します。こうして初めて、血液は身体の中をスムーズに流れることが出来るのです。

サブコンテンツ
メニュー