「砂糖をたくさん摂取すると、血液が酸性になる」とか「砂糖は酸性食品だから、身体に悪い」とか、いろんなことがもっともらしく言われておりますが、一概に砂糖は酸性食品とはいえませんし、酸性食品が身体に悪いという訳でもありません。

酸性食品というのは、食品を燃やして灰にした場合に硫黄やリンなどの酸性の元になる物質が多い食品を指し、タンパク質が多く含まれている肉・魚などや大豆・イモ・トウモロコシ・米などの穀物がこれに該当します。

一方、残った灰にカルシウム・カリウム・ナトリウムなどのアルカリ性の元になる物質が多いものがアルカリ性の食品で、野菜や果物などはその代表的なものです。

しかし、砂糖(白砂糖)は純粋な炭水化物に近いため、燃やせばほとんどが水と炭酸ガスになってしまいます。つまり、純度が高い砂糖ほど灰は残らず、酸・アルカリの区別がつき難くなります。

また、人間の身体には、血液や体液を中性に近い一定の状態に保つ仕組みがあり、酸性の食品を多く食べたからといって血液が酸性になることはありませんし、反対にアルカリ性のものをたくさん食べても
血液がアルカリ性になるという訳でもありません。

食品をこのように、酸性とアルカリ性に区別することは日本人が以前に考え出したことですが、欧米では何十年も前からまったく意味の無い理論とされており、酸性食品だからと言って排除することには何の科学的根拠も見出すことが出来ません。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら