第145回 「養生の必要性」

日本の漢方の診療では、カルタの「百人一首」と同じように、症状を挙げるとほとんど理屈抜きに服用する薬が決定する仕組みになっています。葛根湯(かっこんとう)を例にとると、「寒気がして、肩がこり、汗はかいていない、そして身体も丈夫で胃腸も強い」となれば、薬は「葛根湯」がよいというふうになるのです。

一方、中医学では「何故、この症状が起こったのか」と、原因をいろいろな角度から探っていくことが重要で、できるだけ詳しい患者さんからの情報が必要になります。言ってみれば、薬の選び方よりもどういった病気の流れであるかを見極めることのほうがより大切になります。

ですから、薬だけでなく病気の流れ、つまり本質を改善するために生活の仕方にも気を配らなければいけません。少し手間はかかりますが、症状を点でなく面で捉えることが出来るため、あまり見当違いの治療にはなることはありません。

私は薬局を経営していますが、症状に合った生活の仕方を患者さんにいろいろとお話しすることで、治療の効果が上がり非常に喜ばれております。いくら高価で良いお薬を服用しても、養生もしなければ病気はなかなかよくなってはくれません。

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