第10回 陰陽五行説 (その1・・・陰陽)

ここで中医学の基本となる「陰陽五行説」のことを、「陰陽」と「五行」とに分けて少しお話しておきたいと思います。

中国の古い時代の基本的な考え方の一つである陰陽説とは、「この世に存在するすべての事や物には、その中に必ず性質の反対の二つの要素が対をなして存在しており、それらは別々に分かれて存在する事は出来ず、しかも、それらはお互いに固定された関係ではなく、バランスを取りながら変化している」という考え方です。そして、この対立する白と黒というような性質の反対の二つの要素を「陰」と「陽」ということばで表したのです。数学では、+と-という記号を用いて反対の性質を表しますが、これと同じようなものです。

おそらく陰陽説の始まりは、男と女、天と地、火と水、というような二つの対立するものから考えられたものではないでしょうか。この陰陽説に従って世の中を見てみますと、すべての事や物の中に二つの相反する要素を見つけることが出来ます。そして、それらはお互いに関連し合いながら、それらの立場を変化させていきます。

例えば、親と子でいえば、親が無ければ子は生まれないという関係があります。

しかし、親は始めから親であったのではなく、そして、子供の方もいつまでも子でいるのではなく、やがては自分の子供が出来、自分は親へと変わっていきます。また、親は子を養います。しかし、やがて親は年老いて子に養われるように、その相互関係は固定的でなく刻々と変化して行くわけです。そして、それは「朝があれば夜があり、夜が来ればまた朝が訪れる」というふうに、ずっと永遠に繰り返され続いていくのです。

強い・弱い、多い・少ない、長い・短かい、高い・低い、重い・軽い、早い・遅い、固い・軟らかい、表・裏など。世の中では、こういう相対的な関係をあらゆる所で見つけ出す事が出来ます。

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