前回、塩からい味のものは硬いものを軟らかくする作用があるといいましたが、じつはもっとよいものが中医学にはあります。

「軟堅薬(なんけんやく)」と呼ばれる、芍薬(しゃくやく)・牡丹皮(ぼたんぴ)・莪朮(がじゅつ)・鼈甲(べっこう、スッポンの甲羅)などの生薬がそうで、それらを漢方薬に加えて使うと前立腺肥大や子宮筋腫などでは塊りが軟らかくなって消えたようになることがあります。もちろん、超音波検査でも小さくなっていることが確認できます。※1 放射線の腹部照射で腸管が癒着し、塊りみたいになった状態でも有効なことがあるといわれています。※2 軟堅薬は妊娠した時点で飲用することはできません。なぜなら、受精卵も硬い塊りに相当するからです。

また、スッポンの甲羅と違い、亀板(きばん)と呼ばれる亀の甲羅には硬いものを軟らかくする働きはありませんが、骨を丈夫にする・血液を増やす・体を潤す・腎を養う・止血などの作用があるとされています。

<余談>日本では、婦人の病いに当帰芍薬散という漢方薬をよく使います。中医学では、この中の当帰(とうき)という薬草が補血・活血・止血の作用と、子宮収縮を促進したり抑制したりする作用を持っていると考えられています。中国では、当帰が主成分の当帰膏(とうきこう)という甘くて飲みやすいシロップ状の漢方薬が製造されており、外国にまで輸出されています。しかし、当帰は産地や人種間による差が出やすく、国により服用量も大きく異なります。※3 日本人はトウガラシの辛味に弱く、韓国の人たちは強い。逆に日本人はワサビの辛さに強く、韓国の人たちは弱い。このような人種間による感受性の差は、漢方でも例外ではありません。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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